アパレル基礎講座

アパレル・ファッション業界の製造・卸市場規模の縮小と復活

アパレル・ファッション業界と呼ばれるものの市場規模についてご存知でしょうか。

以前の記事で、アパレル小売市場の縮小について取り上げました。

今回は取り上げる市場の範囲を広げていきます。

日本の繊維産業市場規模

日本の繊維産業市場規模は、川上から川下まで含めると2008年度で約33兆円程度ありました。
2015年度では32兆8000億円と、同規模で推移しています。

繊維関連市場とは

繊維産業市場は、次の企業グループで構成されています。
1.繊維原料関連企業
2.繊維加工関連企業
3.生地、資材加工関連企業
4.製造、卸関連企業
5.小売関連企業

製造業、卸市場の規模縮小が顕著

前述した企業グループの中で、日本国内の製造・卸関連企業の縮小が近年顕著に表れています。

●製造業:2010年は1兆2千億円の規模→2015年には約7600億円に縮小
●卸市場:2010年は9兆9000億円の規模→2015年には8兆1600億円爾縮小

業界の現場で肌感覚として感じる市場の縮小具合

私が業界の現場で働いている中で、確かに製造業と卸市場の縮小というのは数字だけでなく肌感覚としても強く実感しています。

製造業であれば従業員の高齢化や後継者の不在、他産業への人員流出による求人応募の減少という事例により事業の先行きが見えない企業が多々あります。そういった企業の社長に話を聞くと、自分の代で廃業を決めていたり他社への売却を考えているということを言われます。

卸市場の縮小、地方の専門店の不振が大きな要因だと考えられます。
様々なブランドの商品をリスクで買い付けて、自社店舗で集積して路面店もしくはSCに出店して販売するというビジネスモデルが限界に来ているのを感じます。もちろん上手くいっている専門店もあるのですが、大半は前年の売り上げをキープすることでさえいっぱいいっぱいという状況だと言う話を聞きます。

国内の衣料品製造業、卸市場の復活はありえるのか

卸市場に関しては私には底が見えません。アパレルメーカーが卸売をして地方企業が買い付けるというビジネスが消滅していき、地方の専門店を経営していた企業は顧客データや地域の特性を利用して中堅アパレル企業のFC店舗を展開していく流れになるのではないかと考えています。その他では一度市場景気が落ち込みきったところで、自社店舗を展開しているSPA企業が出店リスクを取って地方出店を拡大していく流れになると予測しています。

製造業に関しては後継者問題等はあるものの、復活の余地はあると考えます。
他業界に負けない労働環境・給与・福利厚生制度は必須となります。そのうえで研修生制度を含めた外国人労働者の受け入れによる労働力確保、ファクトリーブランドの立ち上げ、海外企業からの受注による販路拡大など、日本国内だけに全てをとらわれない新たな考え方で取り組むことで復活の兆しは掴めるのではないかと考えています。