セレクトショップと呼ばれる業種について知る。
ファッション雑誌やファッションサイトを見ていると、「セレクトショップ」という言葉が頻繁に出てきます。
アパレル、ファッション関係以外ではあまり聞かない言葉だと思います。
何気なく使っている言葉ではあるのですが、実際にどんなお店をセレクトショップと呼べるのか、日本でのセレクトショップの歴史等について知っておいた方が無理なく言葉を使えると思います。
セレクトショップとはどんなお店を指すのか
セレクトショップとは、小売店の業態の一種です。
特定のブランドのみを販売しているお店ではなく、独自のコンセプトで選んだ商品を販売しているお店を指します。
あらかじめ同じコンセプトや世界観、ターゲットを基に作っている一ブランドのみで展開しているお店と違い複数ブランドの商品を扱うことになるので、店舗オーナーや商品をセレクトするバイヤーの仕入れと陳列センスが店舗運営の重要な役割を担うことになります。
アパレル商品・雑貨を扱うファッション関連が代表的ですが、実際には分野は生活全般に渡ります。
日本におけるセレクトショップの歴史
日本のセレクトショップは、1955年に有楽町で創業したサンモトヤマが草分け的存在です。
グッチと契約してエルメスの輸入を手がけたり、1964年には日本初のグッチ路面店をオープンさせました。
その後1975年にSHIPS(シップス)、1976年にBEAMS(ビームス)が創業しました。
この2社が創業してから、比較的若年層にもセレクトショップという業態がメジャーになってきました。
現代のセレクトショップの特徴
商品、取扱いブランドの変化
かつてはインポートブランドを中心に始まった日本のセレクトショップですが、現在は当時と大きく異なっています。
日本のブランドのみをセレクトして「日本発」をテーマにしたお店があったり、インポートと国内ブランドをミックスしたセレクトで非常にハイセンスなお店があったりします。
また、ブランド古着を集めたり古着を買い付けてきて展開するお店も広義では「セレクトショップ」に分類できると考えられています。
セレクトショップのSPA化の潮流
現代のセレクトショップは、PB(プライベートブランド)を軸にしているお店が非常に多くなっています。
私自身が企業内部で勤務した経験はないので正確な部分はわからないのですが、企画から生産まで自社で行うブランドと、ODM企業と商社に企画から生産まで全て丸投げしているブランドに分かれています。
なぜPB商品を作るのか
なぜ買い付け商品だけでなく、PBを展開するのかという理由については3つ考えられます。
1.商品を買い付けるよりも原価と販売価格のコントロールができるので、利益を確保しやすい。
2.買付けでは不足する商品郡をカバーできる。
3.自分たちのこだわった商品を販売できる。
個人的な見解としては、1の利益確保の要因が一番大きいと考えています。
アパレル・ファッション業界の代表的なセレクトショップ
海外の具体例
イギリスではブラウンズが代表的なセレクトショップです。
アメリカではバーニーズ・ニューヨークが著名で、日本にも出店しています。
日本のセレクトショップ御三家
日本ではセレクトショップと呼べるお店が非常に多く、地方の専門店も基本的に多ブランドを扱っていることが多いので、分類としてはほとんどのファッション関連の小売店がセレクトショップに分類されます。
その中でも店舗を全国展開していて歴史もある3つのセレクトショップが”御三家”と呼ばれています。
下記の3つが日本のセレクトショップ御三家です。
「UNITED ARROWS」
「BEAMS」
「SHIPS」
御三家それぞれの企業規模や沿革等について今後別記事で紹介していきます。