アパレル・ファッション業界の定義と構造を知る。
今回はアパレル・ファッション業界を指す定義と、簡単な業界構造についてまとめます。
アパレル・ファッション業界の定義とは?
「アパレル・ファッション業界ってどんな業界?」
こう聞かれて正確に答えることができる人は多くありません。
業界という定義は難しいが、アパレル産業は下記のように定義されています。
アパレル産業(アパレルさんぎょう)とは、衣服の製造業及び流通業のこと。アパレル (英: apparel ) は衣服を意味する英語の古語に由来する語で、日本語では主に洋装系の既製服を指し、また「アパレル産業」の意味にも用いられる。(Wikipediaより)
誰かに「アパレル・ファッション業界ってどんな業界?」と聞かれることがあれば、「洋服とかバッグとか靴とか、衣食住の衣の部分全てに関わる業界だよ。」と定義できます。
大別した業界構造
大別すると、下の3つに分かれます。
- 川上(かわかみ)
- 川中(かわなか)
- 川下(かわしも)
川上(かわかみ)
「川上」とは、洋服や雑貨の原材料を作る部分です。
洋服の場合だと生地、生地を作るための糸、糸を作るための原料(綿花など)。
他にはボタンやファスナーなどの付属を作る企業も川上部分に含まれます。
会社としては糸屋、生地屋、ボタン屋、ファスナーメーカー(YKKなど)、縫製工場を指します。
川中(かわなか)
「川中」とは、川上で生産された原材料を商品に変えていく部分です。
商品を企画したり、パターン(洋服の型紙)を作成したり、工場に商品を発注して生産依頼しています。
会社としてはODM・OEM会社、自社店舗を持たないアパレルメーカーを指します。
川下(かわしも)
「川下」とは、川中で製造された洋服や雑貨を消費者に販売する部分です。
百貨店やファッションビル(LUMINEやマルイなど)、路面店などの実店舗販売やインターネットでの通販があります。
会社としては大手アパレルSPA(商品企画から販売を一貫して行う企業)、販売専門店、通販サイト(ZOZOTOWN、Amazonなど)を指します。
また、雑誌や広告に載せるコーディネートを考えるスタイリストも業界では川下にあたります。
近年は縦断型企業も多い
かつては餅は餅屋として、業界内での分業という流れでした。
ですが近年は川上と川中と川下を縦断したビジネスモデルを持つ企業が多く見られます。
大手アパレル企業はかつてから自社で企画した商品を工場へ発注し、自社運営の店舗で販売するという川中と川下縦断型でした。それが近年では規模が大きくない企業でも、同様のビジネスモデルを持ったり、縫製工場や生地屋の名前を全面に出し、川上部分の生産設備を直接持たないけどその部分を利用して商品のプロモーションに活用している企業が増えています。(Everlane、ファクトリエなど)
なぜ規模の大きくない川中、川下企業が川上部分を強調していることが増えてきたのかは、次回お届けしたいと思います。