「新型コロナウイルス」で、アパレル業界の働き方は変わったのか。
新型コロナウイルスショック。
2020年、アパレル業界に大変な衝撃を受けています。
この記事を書いている時点(2020年6月16日)では、緊急事態宣言が解除となったものの感染者がゼロになったわけではなく、まだ余談を許さない状況です。
4月上旬に発令された緊急事態宣言を受けて、各ファッションビルや百貨店はもちろん、路面店もほぼ全てが休業となりました。
この事態にあらゆるアパレル企業が大打撃を受けました。
大手企業でも前年比20%は当たり前、店舗販売比率が高い企業ほど大きなダメージを受けています。
『JOURNAL STANDARD』などを運営している大手アパレルのベイクルーズでは、本社スタッフを全員在宅勤務とするなど、働き方にも変革が求められました。
今回は、新型コロナウイルスショック・緊急事態宣言時のアパレル業界の働き方について書きます。
販売スタッフと本社スタッフでは異なる働き方の変化
企業によっては、特別休暇を付与したり、給与の60%を保証する休業手当を支給するとしたアパレル企業も存在します。
販売員と本社勤務スタッフでは異なる働き方となりました。
販売員は原則休業。給与保証日数がなくなるケースも
店頭の販売員は、商業施設や路面店が休業となり必然的に働く場所が無いため休暇となったアパレルが大半でしょう。
大手アパレルの中には、14日間の特別休暇を社員全員に付与したり、子を持つ親対象の休業補償制度を設ける企業もありました。
4月上旬、早いところでは3月末から休業している店舗もあったため、特別休暇や有給休暇では足りず、給料が減ったケースも存在すると聞いています。
私が実際に目にしたケースでは、出勤とするために物流センターで入出荷業務の手伝いを販売員が行っていました。
本社勤務スタッフは在宅勤務に。
企画や生産、経理といった本社勤務スタッフは、ほとんどのアパレル企業で原則的に在宅勤務となりました。
ニュースで報道されていたように、請求書への印鑑押印や書類の原本文化によりオフィスに出勤しなければならないケースも、ご多分に漏れずアパレル業界にも存在します。
アパレル業界で在宅勤務は成立しないと思っていた。
仕事はオフィスに行ってするもの。
これが業界全体の常識となっていました。
やってみると、在宅勤務も意外とできるものです。
当然良い面ばかりではなく、メリットとデメリットが存在します。
ネット環境は自前。仕事の効率にも影響が。
急な在宅勤務となった企業では、自宅で仕事をするときのネット環境を自分で準備しなければならなくなります。
私自身も4月から約2ヶ月在宅勤務中心での仕事となっていますが、自分のPocket WiFiに仕事用ノートpcを接続して仕事しています。
回線はそこまで遅くないため今の所快適に仕事できていますが、テレビ会議のときに回線速度の遅い人は苦労しているようでした。
メリットは通勤時間からの解放。
在宅勤務における一番のメリットは、通勤からの解放だと考えています。
朝晩の満員電車。
「現代の奴隷船」と皮肉交じりに日本のサラリーマンの通勤は取り上げられることが多々ありますが、そのとおりだと思っています。
通勤時間がないことで、睡眠時間が長くなり健康になったという人も多いのではないでしょうか。
デメリットはちょっとした相談や雑談ができないこと。
在宅勤務で発生するデメリットは、オフィスでは何気なくできるちょっとした相談や雑談ができないことです。
メールやメッセージアプリを使用したテキストコミュニケーションはできるのですが、相手の状況が見えない。
オフィスに比べて相談のハードルが高くなってしまったと感じています。
思いがけずやってきた「働き方改革」。継続には疑問符。
昔から働き方は変わらない、アナログだ。とずっと言われてきたアパレル業界ですが、半強制的に働き方に変革がもたらされました。
一部の先進的なアパレル企業だけで実行していたテレビ会議や在宅勤務が、業界全体に広がりました。
しかし、この変革が常識となるかには、疑問符がつきます。
いずれ新型コロナウイルスが本当に落ち着いた時、もとの働き方に戻ってしまうのだろうと個人的には考えています。
働く人の生活に寄り添った新しい働き方が、一般的になることを願っています。